たんぱく質の豊富な卵の白身に「コレステロール上昇を抑える働きがある」という研究が7日、京都市で開かれている日本栄養・食糧学会で発表された。
発表したのは、名古屋大の小田裕昭・助教授(応用生命化学)らとキユーピー研究所。
コレステロールが血管にへばりつくと、動脈硬化を起こしやすくなる。卵の黄身には大量に含まれており、卵を控えている人は少なくない。
しかし、1日に5個の卵を1週間食べ続けても、血中コレステロール値は上がらなかったという調査があることなどから、専門家の間では「何か上昇を抑えるしくみがあるのでは」と考えられていた。
小田さんらはネズミに卵の白身をえさに混ぜて10日間食べさせ、牛乳のたんぱく質を同じだけ混ぜた場合と比べた。食物のコレステロールは腸で吸収され、肝臓に送られる。
ネズミの肝臓から血液中にコレステロールが放出される速度は、白身の方が2割ほど遅かった。「卵白に含まれるたんぱく質が放出にブレーキをかけるらしい」と同研究所の林直紀さん。
(出典:朝日新聞 平成13年5月8日) |