|
2021年6月号−1 |
令和3年 6月 農林水産省生産局食肉鶏卵課 |
I 鶏卵 |
(1)消 費
消費量は年度により若干の変動はあるものの、概ね安定的に推移している。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減少等により2,715千トンと前年比1.4%減少した。
(2)生 産
25年夏以降、家庭用、業務加工用ともに需要が旺盛であったこと等から、卵価は堅調に推移した。これを受け、生産者は生産を拡大し、27年度以降は連続で前年度を上回って推移していたが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減少等により、価格が低水準で推移したこと等から生産量は約263万トンと前年をわずかに下回った。
(3)輸 入
輸入量は、国内消費量の4%程度で推移。輸入量全体のうち約9割は加工原料用の粉卵が占めており、主に、オランダ、イタリア及び米国から輸入している。
27、28年度は、米国で発生した鳥インフルエンザの影響により、卵白粉の国際価格が上昇したこと等から、前年度を大幅に下回ったが、卵白粉の国際価格が落ち着き、29年度以降は、約11万トンで推移。
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減少等により、前年度比9.7%減の10万2千トンとなった。
(4)卸売価格
卸売価格は、夏場の不需要期に向けて価格が低下し、年末の需要期に向けて価格が上昇する傾向がある。
近年の生産拡大にともなう需給緩和により、平成31年の年明けに価格が下落し、令和元年度に入っても価格の低迷が続いたが、台風15号・19号の被害による供給量の減少と年末需要期が重なったことを背景に、年末にはほぼ平年並みの価格まで回復した。
令和2年度は4月の緊急事態宣言後、業務・加工用の鶏卵の需要が大幅に減少したことから、価格は低水準で推移した。
年明け以降は、鳥インフルエンザ発生による採卵鶏の殺処分羽数が合計で約900万羽(全国の採卵鶏飼養羽数の約5%を占める)と多かったこと、緊急事態宣言下における内食需要の増加等により上昇傾向となり、前年を上回って推移している。
(5)飼養動向
(1) 飼養戸数は、小規模層を中心に減少傾向で推移しており、31年は2,120戸(対前年比3.6%減)となった。
(2) 一方、成鶏めす飼養羽数は、26年以降は鶏卵価格が堅調なこともあり増加しており、31年は1億4千万羽強(対前年比2.0%増)となった。
(3) この結果、1戸当たり平均飼養羽数は増加しており、31年は66.9千羽(対前年比5.9%増)となった。
(4) 成鶏めす飼養羽数10万羽以上層の飼養戸数の割合は全体の17.1%であるが、成鶏めす羽数の割合は全体の76.0%を占める構造となっており、経営の大規模化が進んでいる。
|
|
|全国配合飼料流通量|採卵用めす雛餌付羽数|鶏卵相場|
|採卵鶏飼養戸数・成鶏羽数・鶏卵生産量|Monthly食料需給情報|ホームページへ|
|