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2024年1月号−1 |
令和6年 1月 農林水産省生産局食肉鶏卵課 |
I 鶏卵 |
(1)消 費
消費量は、概ね安定的に推移してきたが、平成29年度から令和元年度にかけて増加傾向で推移した。
令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症や高病原性鳥インフルエンザの記録的な発生の影響によりそれぞれ前年度を下回り、令和4年度は263万トンと前年度比1.9%減少した。
(2)生 産
生産量は、27年度以降、家庭用、業務・加工用ともに需要が旺盛であったこと等から、前年度を上回って推移した。
令和2年度以降は新型コロナウイルス感染症の影響により価格が低下したことや高病原性鳥インフルエンザの記録的な発生による影響から、それぞれ前年度下回り、令和4年度は254万トンと前年度比1.9%減少した。
(3)輸 入
輸入量は、国内消費量の4%程度で推移。輸入量全体のうち約9割は加工原料用の粉卵が占めており、主に、オランダ、イタリア及び米国から輸入している。
平成29年度以降、年間約11万トンで推移したが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減少等により、前年度を下回った。
令和3年度は鳥インフルエンザの影響で加工用の国産鶏卵の代替として輸入されたこと等から前年度を上回った。
令和4年度は業務用需要の回復により前年度比1.7%増の11万7千トンとなった。
(4)卸売価格
卸売価格は、夏場の不需要期に向けて価格が低下し、年末の需要期に向けて価格が上昇する傾向がある。
近年の生産拡大にともなう需給緩和により、平成31年の年明けに価格が下落し、令和元年度に入っても価格の低迷が続いたが、台風15号・19号の被害による供給量の減少と年末需要期が重なったことを背景に、年末にはほぼ平年並みの価格まで回復した。
令和2年度は4月の緊急事態宣言後、業務用の需要が大幅に減少したため、価格は低水準で推移した。
令和3年度は、令和2年度シーズンの鳥インフルエンザ発生による殺処分羽数が多くなったことで価格は例年を上回って推移したが、その後は生産回復に伴い昨年並みの水準で推移。
令和4年度は、業務用需要が回復傾向にあることや生産コストの上昇等から、価格は例年を上回る水準で推移。その後、10月以降に発生した鳥インフルエンザにより、採卵鶏の殺処分が飼養羽数の1割強にのぼったことから、価格は大幅な高値で推移。
令和5年度は、鳥インフルエンザの発生農場において再導入が進んでいること等から、6月以降価格は下落傾向で推移したものの、引き続き例年を上回る水準で推移。
(5)飼養動向
(1) 飼養戸数は、小規模層を中心に減少傾向で推移しており、令和5年は鳥インフルエンザの影響もあり、1,690戸(前年比▲6.6%減)となった。
(2) 一方、成鶏めす飼養羽数は、26年以降は鶏卵価格が堅調なこともあり増羽していたが、鳥インフルエンザの影響等により令和5年は約1億3千万羽(前年比▲6.3%減)となった。
(3) 成鶏めす飼養羽数10万羽以上層は、飼養戸数の割合で全体の18.8%であるが、成鶏めす羽数の割合で全体の75.0%を占める構造となっており、経営の大規模化が進んでいる。
平均飼養羽数は、令和5年は76.1千羽/戸(前年比0.3%増)となった。
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