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2024年11月号－1

令和6年 11月
農林水産省生産局食肉鶏卵課

I　鶏卵

（1）消費
消費量は、概ね安定的に推移してきたが、平成29年度から令和元年度にかけて増加傾向で推移した。
令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症や高病原性鳥インフルエンザの記録的な発生の影響によりそれぞれ前年度を下回り、令和5年度は257万トンと前年度比3.0％減少した。

（2）生産
生産量は、27年度以降、家庭用、業務・加工用ともに需要が旺盛であったこと等から、前年度を上回って推移した。
令和2年度以降は新型コロナウイルス感染症の影響により価格が低下したことや高病原性鳥インフルエンザの記録的な発生による影響から、それぞれ前年度下回り、令和5年度は248万トンと前年度比3.1％減少した。

（3）輸入
輸入量は、国内消費量の4％程度で推移している。輸入量全体のうち約9割は加工原料用の粉卵が占めており、主に、オランダ、イタリア及び米国から輸入している。
平成29年度以降、約11万トンで推移したが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減少等により、前年度を下回った。
令和3年度は鳥インフルエンザの影響で加工用の国産鶏卵の代替として輸入されたこと等から前年度を上回った。
令和5年度は令和4年度の鳥インフルエンザの影響等で輸入価格が高騰したこと等により、前年度比6.0％減の11万トンとなった。

（4）卸売価格
卸売価格は、夏場の低需要期に向けて低下し、年末の需要期に向けて上昇する傾向がある。
令和2年度は4月の緊急事態宣言後、業務用の需要が大幅に減少したため、価格は低水準で推移した。
令和3年度は、令和2年度シーズンの鳥インフルエンザの発生による殺処分羽数が多くなったことで価格は例年を上回って推移したが、その後は生産回復に伴い昨年並みの水準で推移した。
令和4年度は、業務用需要が回復傾向にあることや生産コストの上昇等から、価格は例年を上回る水準で推移。その後、10月以降に発生した鳥インフルエンザにより、採卵鶏の殺処分が飼養羽数の1割強にのぼったことから、価格は大幅な高値で推移した。
令和5年度は、鳥インフルエンザの発生農場において再導入が進んでいることや鳥インフルエンザの影響により減少した加工用の需要が回復していないこと等から、6月以降価格は下落傾向で推移し、1月以降は鶏卵生産者安定対策事業が発動したことにより例年並みの水準で推移した。
令和6年度に入り、引き続き加工用の需要が減少していることにより価格が低迷し鶏卵生産者経営安定対策事業の発動が続いていたが、夏以降は猛暑の影響により供給量が一時的に減少したことや季節性の需要が高まったこと等により、価格は上昇傾向で推移しているところ。

（5）飼養動向
(1) 飼養戸数は、小規模層を中心に減少傾向で推移しており、令和6年は鳥インフルエンザの影響等もあり、1,640戸（前年比▲3.0％減）となった。
(2) 一方、成鶏めす飼養羽数は、26年以降は鶏卵価格が堅調なこともあり増羽していたが、新型コロナウイルス感染症や鳥インフルエンザ等の影響により令和3年以降は減少傾向が続いている。令和6年は約1億3千万羽（前年比0.9％増）となった。
(3) 成鶏めす飼養羽数10万羽以上層は、飼養戸数の割合で全体の約20％であるが、成鶏めす羽数の割合で全体の80％以上を占める構造となっており、経営の大規模化が進んでいる。
平均飼養羽数は、令和6年は79.1千羽/戸（前年比3.9％増）となった。

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